男性不妊の原因とは?精液検査でわかることと夫婦で始めたい対策

妊活を始めたものの、なかなか授からない。
病院に行くなら、まず女性が検査を受けるものだと思っていました。
でも、男性側にも原因があると聞いて不安です。
男性不妊には、どんな原因があるのでしょうか?

不妊の原因は、女性だけにあるわけではありません。
男性側の精子の状態、ホルモン、精索静脈瘤、射精の問題、精子の通り道の問題などが関係することもあります。
男性不妊は「誰が悪い」という話ではなく、夫婦で早めに原因を確認するために知っておきたい大切なテーマです。
この記事では、男性不妊の主な原因、精液検査でわかること、夫婦でできる対策をやさしく整理します。

男性不妊とは?不妊の原因は女性だけではありません

妊活を始めると、どうしても女性側の検査や治療に意識が向きがちです。

基礎体温を測る。
排卵日を確認する。
婦人科を受診する。
ホルモン検査を受ける。
卵管造影検査を受ける。
排卵誘発剤を使う。

このように、女性側が先に動くケースは少なくありません。

しかし、不妊の原因は女性だけにあるわけではありません。

男性側の精子の状態や、射精、ホルモン、精巣、精子の通り道に問題があることもあります。

 妊活は女性だけが頑張るものではありません。男性側も早めに検査を受けることが、夫婦にとって大切な一歩です。

男性不妊と聞くと、抵抗を感じる人もいるかもしれません。

「自分に原因があると言われたらどうしよう」
「男として否定される気がする」
「検査が恥ずかしい」
「妻に申し訳ない」

このように感じる男性もいるでしょう。

でも、男性不妊は人格や男性らしさの問題ではありません。

体の状態を確認する医療の話です。

高血圧や糖尿病を調べるのと同じように、精子の状態を確認することは、妊活においてとても大切です。

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男性不妊の主な原因5つ

男性不妊の原因は一つではありません。

大きく分けると、次のような原因があります。

  • 精子を作る力に問題がある
  • 精索静脈瘤がある
  • 精子の通り道に問題がある
  • 性機能や射精に問題がある
  • ホルモンや生活習慣が影響している

それぞれ、わかりやすく見ていきましょう。

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原因1:精子を作る力に問題がある「造精機能障害」

男性不妊の原因として多いのが、精子を作る力に関する問題です。

医学的には、造精機能障害と呼ばれます。

精巣で精子を作る働きが低下している状態です。

精液検査では、次のような項目に異常として現れることがあります。

  • 精子の数が少ない
  • 精子の運動率が低い
  • 正常な形の精子が少ない
  • 精液中に精子が見つからない

精子の数が少ない

精子の数が少ないと、卵子にたどり着く精子の数も少なくなります。

自然妊娠の可能性が下がることがあります。

ただし、精子の数は体調、睡眠、発熱、ストレス、禁欲期間などによって変動します。

1回の検査結果だけで、すべてを判断する必要はありません。

医師の判断で、再検査を行うことがあります。

精子の運動率が低い

精子は、卵子に向かって動く必要があります。

精子の運動率が低いと、卵子までたどり着きにくくなります。

これも男性不妊の一因になります。

ただし、運動率も検査ごとに変動します。

体調不良や発熱後に悪化することもあります。

精子の形に異常が多い

精子には、頭部、中片部、尾部があります。

形に異常が多い場合、受精に影響することがあります。

ただし、精子の形だけで妊娠できる・できないが決まるわけではありません。

精子の数、運動率、形態、女性側の状態、年齢、治療方法などを総合的に見て判断します。

原因2:精索静脈瘤

男性不妊の記事で必ず入れておきたい原因の一つが、精索静脈瘤です。

精索静脈瘤とは、精巣の周りの静脈がこぶのようにふくらむ状態です。

特に左側に多いとされています。

精索静脈瘤があると、精巣の温度が上がったり、血流の状態が悪くなったりして、精子の状態に影響することがあります。

精索静脈瘤で見られることがある症状

精索静脈瘤は、自覚症状がないこともあります。

一方で、次のような違和感が出る人もいます。

  • 陰のうに重だるさがある
  • 立っていると違和感がある
  • 左側の陰のうにこぶのようなものを感じる
  • 精液検査で精子の状態が悪いと言われた

精索静脈瘤は、手術で改善が見込めるケースもあります。

ただし、すべての人に手術が必要なわけではありません。

精液検査の結果、年齢、夫婦の妊活状況、女性側の治療状況などを見ながら、専門医と相談することが大切です。

原因3:精子の通り道に問題がある「精路通過障害」

精子は、精巣で作られたあと、精巣上体、精管などを通って射精されます。

この通り道のどこかに詰まりや障害があると、精子が外に出られなくなることがあります。

これを精路通過障害といいます。

精路通過障害の原因

精路通過障害には、次のような原因が考えられます。

  • 過去の炎症や感染症
  • 手術の影響
  • 生まれつきの構造の問題
  • 精管の閉塞
  • 精巣上体の閉塞

精子が作られていても、通り道がふさがっていると精液中に精子が出てこないことがあります。

精液検査で無精子症と言われた場合でも、精子を作る力が全くないとは限りません。

閉塞が原因の場合、治療や精子回収の方法が検討されることがあります。

原因4:性機能障害・射精障害

男性不妊では、精子の状態だけでなく、性交や射精に関する問題も原因になることがあります。

  • 勃起が維持できない
  • 性交のタイミングが取れない
  • 射精がうまくできない
  • 腟内で射精できない
  • 射精しても精液が外に出にくい

妊活中は、排卵日に合わせて性交しようとするため、プレッシャーが大きくなります。

「今日しなければ」
「またダメだったらどうしよう」
「妻をがっかりさせたくない」

このような緊張が、勃起や射精に影響することもあります。

 性機能や射精の問題は、気合いで解決するものではありません。治療できることもあるため、恥ずかしがらずに医師へ相談しましょう。

逆行性射精

射精時に精液が外へ出ず、膀胱側へ逆流してしまう状態を逆行性射精といいます。

糖尿病、手術の影響、薬の影響などが関係することがあります。

自分では気づきにくい場合もあります。

精液量が極端に少ない場合などは、医師に相談しましょう。

原因5:ホルモン異常や生活習慣の影響

精子を作る働きには、ホルモンも関係しています。

精巣の働き、脳からのホルモン指令、テストステロンなどが複雑に関わっています。

ホルモンの異常があると、精子の数や質に影響することがあります。

また、生活習慣も精子の状態に関係します。

精子に影響しやすい生活習慣

次のような習慣は、精子の状態に影響する可能性があります。

  • 喫煙
  • 過度な飲酒
  • 睡眠不足
  • 肥満
  • 強いストレス
  • 栄養バランスの乱れ
  • 運動不足
  • サウナや長風呂の習慣
  • 膝上でノートパソコンを長時間使う
  • きつい下着を長時間着用する

特に、精巣は熱に弱いとされています。

高温環境が続くと、精子を作る働きに影響することがあります。

サウナや長風呂、膝上パソコンがすぐに不妊につながるわけではありません。

ただし、妊活中で精液検査の結果が良くない場合は、熱を避ける工夫をしてみる価値があります。

男性不妊の検査はまず精液検査から

男性不妊を調べるうえで、最初に行われることが多いのが精液検査です。

精液検査では、精液中の精子の状態を確認します。

精液検査でわかること

精液検査では、主に次のような項目を調べます。

  • 精液量
  • 精子濃度
  • 総精子数
  • 精子運動率
  • 前進運動率
  • 精子の形態
  • 白血球の有無

精液検査は、男性側の現在の妊孕性を把握するための基本的な検査です。

女性だけが検査を進めるのではなく、男性も早い段階で受けることをおすすめします。

精液検査は1回だけで判断しない

精液検査の結果は、体調や禁欲期間、発熱、睡眠、ストレスなどで変動します。

そのため、1回の結果が悪かったからといって、すぐに落ち込む必要はありません。

医療機関では、必要に応じて複数回検査することがあります。

 精液検査は「男性を責めるための検査」ではありません。夫婦に合った妊活の進め方を考えるための検査です。

精液検査以外に行われることがある検査

精液検査の結果や症状によっては、追加の検査を行うことがあります。

診察・触診

精巣の大きさや、精索静脈瘤の有無などを確認するために、診察や触診が行われることがあります。

恥ずかしさを感じる人もいると思いますが、男性不妊の原因を確認するために大切な検査です。

ホルモン検査

血液検査で、ホルモンの状態を確認することがあります。

テストステロン、FSH、LH、プロラクチンなどが調べられることがあります。

ホルモンの状態によって、精子を作る力に問題があるのか、脳からの指令に問題があるのかを判断する手がかりになります。

超音波検査

陰のうの超音波検査で、精索静脈瘤や精巣の状態を確認することがあります。

痛みは少なく、比較的受けやすい検査です。

遺伝学的検査

重度の乏精子症や無精子症の場合などには、遺伝学的検査が検討されることもあります。

医師から必要性を説明された場合は、夫婦でよく話し合いましょう。

男性不妊が疑われる時の受診先

男性不妊が気になる場合は、泌尿器科、男性不妊外来、生殖医療専門クリニックなどに相談します。

女性が通っている不妊治療クリニックで、男性の検査を受けられる場合もあります。

ただし、精索静脈瘤や無精子症など、より詳しい診断や治療が必要な場合は、男性不妊に詳しい泌尿器科医への相談が必要になることがあります。

受診の目安

次のような場合は、早めに男性側の検査も考えましょう。

  • 妊活を始めて一定期間たっても妊娠しない
  • 女性側の検査で大きな問題が見つからない
  • 過去に精巣や陰のうの病気をしたことがある
  • おたふく風邪で精巣炎になったことがある
  • 精液量が少ないと感じる
  • 性交や射精に不安がある
  • 精索静脈瘤を指摘されたことがある
  • 夫婦で早く原因を確認したい

男性不妊は治療できる?

男性不妊は、原因によって治療や対応が変わります。

すべてのケースで簡単に改善するわけではありません。

しかし、原因がわかることで、次に取るべき方法が見えてきます。

生活習慣の改善

軽度の精液所見の悪化や、生活習慣の影響が疑われる場合は、生活の見直しから始めることがあります。

  • 禁煙する
  • 飲酒量を減らす
  • 睡眠時間を確保する
  • 肥満を改善する
  • 適度に運動する
  • 栄養バランスを整える
  • サウナや長風呂を控える
  • 膝上パソコンを避ける
  • ストレスをためすぎない

精子は作られるまでに一定の時間がかかります。

生活習慣を変えても、すぐに結果が出るとは限りません。

数か月単位で見直すことが大切です。

薬物療法

ホルモンの異常や炎症など、原因によっては薬を使うことがあります。

サプリメントや市販薬を自己判断で大量に飲むのではなく、医師に相談したうえで進めましょう。

手術

精索静脈瘤や精路の閉塞がある場合、手術が検討されることがあります。

手術を受けるかどうかは、精液検査の結果、夫婦の年齢、妊活期間、女性側の治療状況などを考慮して判断します。

人工授精・体外受精・顕微授精

精子の状態によっては、一般不妊治療や生殖補助医療が検討されます。

  • 人工授精
  • 体外受精
  • 顕微授精
  • 精巣内精子採取術などを組み合わせる治療

男性不妊だからといって、必ず一つの治療に決まるわけではありません。

夫婦の状況に合わせて、医師と相談しながら選んでいきます。

夫婦でできる男性不妊対策

男性不妊が気になる時、夫婦でできることもあります。

まずは責めない

精液検査の結果が悪いと、男性は大きなショックを受けることがあります。

女性側も、これまで自分だけが頑張ってきたと感じている場合、複雑な気持ちになるかもしれません。

でも、ここで大切なのは責めないことです。

男性不妊は、本人の努力不足や愛情不足ではありません。

まずは、原因を一緒に確認し、次に何ができるかを考えることが大切です。

女性だけが通院を背負わない

妊活では、女性が通院や検査を一人で抱え込んでしまうことがあります。

しかし、男性側の検査は、女性に比べると早く済むこともあります。

精液検査を早めに受けることで、夫婦の妊活の進め方が変わることもあります。

 女性が何度も痛い検査や治療を受ける前に、男性側も検査を受ける。これは夫婦で妊活するうえで大切な思いやりです。

一緒に生活習慣を整える

男性だけに「禁煙して」「痩せて」「お酒を減らして」と言うと、責められているように感じることがあります。

夫婦で一緒に整える形にすると、続けやすくなります。

  • 一緒に散歩する
  • 夕食の野菜を増やす
  • お酒を飲まない日を作る
  • 寝る時間を少し早くする
  • スマホを見すぎない時間を作る
  • サプリや食事を一緒に見直す

妊活は、どちらか一方だけが頑張るものではありません。

夫婦で少しずつ生活を整えていきましょう。

男性不妊と栄養|サプリは必要?

精子の状態を考えるうえで、栄養も無視できません。

亜鉛、葉酸、ビタミンD、ビタミンC、ビタミンE、コエンザイムQ10などが話題になることがあります。

ただし、サプリを飲めば必ず精子が改善するわけではありません。

基本は、食事、睡眠、運動、禁煙、飲酒量の見直しです。

そのうえで、不足しやすい栄養素を補う目的でサプリを活用する人もいます。

 サプリは治療の代わりではありません。精液検査で状態を確認したうえで、生活習慣や医師のアドバイスとあわせて考えましょう。

夫婦で飲める妊活サプリを検討する場合も、過度な期待をせず、補助的なものとして考えるのがおすすめです。

男性不妊の原因Q&A

Q1. 男性不妊の主な原因は何ですか?

A1. 男性不妊の原因には、精子を作る力の低下、精索静脈瘤、精子の通り道の障害、性機能障害、射精障害、ホルモン異常、生活習慣の影響などがあります。原因は一つとは限らず、複数が関係することもあります。

 

Q2. 男性不妊は精液検査だけでわかりますか?

A2. 精液検査は男性不妊を調べる基本的な検査ですが、精液検査だけですべての原因がわかるわけではありません。結果によっては、診察、ホルモン検査、超音波検査、遺伝学的検査などが行われることもあります。

 

Q3. 精液検査の結果が悪かったら、もう妊娠は難しいですか?

A3. 1回の精液検査だけで判断する必要はありません。精子の状態は体調やストレス、禁欲期間、発熱などで変動します。必要に応じて再検査を行い、医師と相談しながら今後の方針を決めましょう。

 

Q4. 男性不妊は治療できますか?

A4. 原因によっては、生活習慣の改善、薬物療法、手術、生殖補助医療などで対応できる場合があります。ただし、すべてのケースで簡単に改善するわけではありません。まずは原因を調べることが大切です。

 

Q5. 男性はいつ検査を受けるべきですか?

A5. 妊活を始めてもなかなか妊娠しない場合や、女性側の検査だけが進んでいる場合は、早めに男性側も検査を受けることをおすすめします。女性だけが検査や治療を抱え込まないためにも、夫婦で同時に原因を確認することが大切です。

 

まとめ:男性不妊は責めるものではなく、夫婦で早めに確認するもの

男性不妊は、決して珍しい話ではありません。

そして、男性不妊は「男性が悪い」という話でもありません。

妊活は夫婦で取り組むものです。

女性だけが検査や治療を抱え込むのではなく、男性側も早めに検査を受けることで、夫婦に合った妊活の進め方が見えてきます。

この記事のポイントをまとめます。

  • 不妊の原因は女性だけにあるわけではない
  • 男性不妊には、精子の数・運動率・形態の問題が関係する
  • 精索静脈瘤は男性不妊で重要な原因の一つ
  • 精子の通り道や射精の問題が関係することもある
  • 精液検査は男性不妊を調べる基本的な検査
  • 精液検査は1回だけで判断しないことがある
  • 生活習慣の見直しも大切
  • 男性不妊は夫婦で向き合うテーマ

妊活中、女性は多くの検査や治療を受けることがあります。

だからこそ、男性側も「自分は大丈夫」と決めつけず、早めに検査を受けてみてください。

精液検査を受けることは、恥ずかしいことではありません。

夫婦で前に進むための、大切な一歩です。

おまけ:男性不妊が気になる人に読んでほしい記事

男性不妊が気になる場合は、食事、飲み物、生活習慣もあわせて見直していきましょう。

次の記事も参考にしてください。

 

 

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