【書評】妊活に疲れたら、開く本|つらい気持ちの正体がわかる

妊活に疲れた……。
妊活のストレスに悩んでいる……。

もしも、あなたが、このように苦しんでいるのなら、不妊治療の心理カウンセラーの第一人者の視点から書かれた名著『妊活に疲れたら、開く本』をおすすめします。
妊活を頑張っているのに、辛い思いをしているあなたの足元を明るく照らしてくれるはずです。

『妊活に疲れたから、開く本』の内容をギュギュッと要約

この本は、いわゆる「癒し本」ではありません。
そして、「不妊治療を頑張って、妊娠しよう!」と励ます本でもありません。
あなたに、いま、理不尽に降りかかった、「不妊」という状況を、あなたなりに生き抜くヒントになればいいな、と思って書いた本です。

2017年 株式会社主婦の友インフォス 平山史朗『妊活に疲れたら、開く本』 2頁より引用

妊娠本であると同時に、女性の行き方や考えも言及。時には距離を置くこと、引きこもることもあなたを守るために必要なのだと説いてくれる。
不妊はあなたの全てではない、不妊治療は利用するものであって、あなたの人生を決定するものでもない。
妊活からあなたの人生を取り戻す「きっかけ」を与えてくれる一冊。

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『妊活に疲れたから、開く本』の概要

タイトル妊活に疲れたら、開く本
著者平山史朗
出版社株式会社主婦の友インフォス
発売日2017年10月31日 第1刷発行
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『妊活に疲れたから、開く本』の著者・平山史朗さん

著者の平山史朗さんは、臨床心理士で生殖心理カウンセラー。20年以上、不妊治療の専門クリニック「東京HARTクリニック」で、心理カウンセラーを務めています。
本書でも

いわゆる「こころのケア」の専門家として、不妊という経験が、その人の存在そのものをゆるがし、他の人との関係を大きく変化させる、人生上の危機事態となりうることを実感してきました。突然経験させられた「不妊」に翻弄されながらも、その人なりに生きていこうとするLife(人生・生活)そのものを支援することが心理専門家の役割だと考え活動してきました。

2017年 株式会社主婦の友インフォス 平山史朗『妊活に疲れたら、開く本』 3頁より引用

と綴っています。
ちなみに、東京HARTクリニックは、Googleの口コミでも評価が高い人気クリニック。

インターネット上に、当事者を追い込むようなアドバイスが、さも正しいことのように書き込まれており、平山さんは、そのような情報に振り回されて疲れ切っている当事者の姿をみて、本当に役立つ情報を届けることが必要……と本書を執筆したと言います。

略歴

1993年、広島大学教育学部心理学科卒業。1998年、アメリカカリフォルニア州サンディエゴのTte Center for Reprodeuctive Psychologyに短期留学。Martha&David Diamond,Jenet Jaffe各博士に不妊体験者への心理療法の個人教授を受ける。東京HARTクリニック臨床心理士。

資格

臨床心理士、生殖心理カウンセラー、家族心理士、がん・生殖医療専門心理士。

『妊活に疲れたから、開く本』の目次

本書は次のような流れで綴られています。

  • 第一章:子どもを持つこと、それは当たり前なのでしょうか
  • 第二章:不妊の問題はコミュニケーションの問題でもあるようです
  • 第三章:上手に距離を取る、うまく引きこもるという対処法
  • 第四章:納得のできる治療の受け方。心のケアはカウンセラーに
  • 第五章:不妊治療をいったん休んでみるという選択肢
  • 第六章:不妊治療は「自分はどう生きるか?」を考えること

置かれた状況は一人ひとり異なります。本書の全ての内容がぴったりとくる人はいないでしょう。
しかし、パラパラとめくってみれば、不思議と自分に合った章が見つかるから不思議です。
女性側からだけでなく、男性側からも見解が示されているので、カップルで開いてみましょう。

妊活に疲れた40代の妊活男子が読んだ感想

この記事を書いている私は40代男です。
私たち夫婦は、まさに不妊治療に挑んでいます。高額な治療費を支払っても、不快な思いをしても報われない……と、落ち込んでいる時に、本書に出会いました。
私の心に残った第一章と第六章をピックアップして感想をまとめます。

子どもを持つことは当たり前ではない

第一章は

  • まずは頑張っている自分を認めること
  • 子供を持つことが本能か
  • 子供を持つ意味
  • 子供ができないことに縛られない

といった自分と向き合う内容。

そして第6章は

  • 子供がいなければ人生は終わりなのか
  • 皆と同じならば幸せなのか

などと問いかけてきます。

ずっと知りたかった「つらい」という気持ちの正体を知れたような気がします。
気持ちの根底にあるのは「罪悪感」なのかもしれません。

私はいつの間にか、「不妊=普通ではない」と思い込んでいました。
あなたもそうではありませんか?
子供を授かることができれば、普通に戻ることができる、そこがゴールだ……と思っていませんか?

良く耳にする言葉ですが、やっぱり妊活は通過点です。
「子供を授かったから幸せになる」「子供を授かったら全ての問題が解決する」訳では決してないし、もしも、子供がいない人生を選択しても自分の価値は変わらない……そんな当たり前のことに気付くことで、随分と気持ちが楽になりました。

努力だけでは乗り越えられない壁を前に、自分にとっての「普通」とは何か、生き方について考えさせられます。

『妊活に疲れたから、開く本』の著者・平山史朗さんの他の書籍

  • 『不妊治療で家族と会うとき』/金子書房/2015年
  • 『生殖医療は福音か』/金子書房/2015年
  • 『不妊治療における親と子の出会い』/ミネルヴァ書房/2016年
  • 『生殖医療と家族支援』/福村出版/2017年

『妊活に疲れたから、開く本』の書評まとめ

一部分のみのピックアップで、少し偏った感想になりましたが、ストレスの原因となる人間関係についての対応策や、不妊治療クリニックの実情なども綴られています。不妊で苦しんでいる多くの人の救いになるはず。
手元に置いて、読み返したい一冊です。
また、家族や同僚をはじめ、多くの人に読んでもらいたいと強く願います。

おまけ:妊活に疲れたら、「お花のある生活」をはじめましょう


部屋にお花を飾ってみましょう。「お花を飾ると元気なる」という話を耳にすると思います。
なんと、お花の癒し効果は科学的に実証されています。

不妊治療のお金を工面する副業ロードマップ

もしもあなたが、お金に困っていて「副業」を考えているのであれば、ぜひ、参考にしてください。

  • 妊活カップルの副業の考え方と選び方
  • 妊活カップルの副業の注意点

※実体験をもとに随時、加筆しています。

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