

妊活に疲れました。
不妊治療を頑張っているのに、気持ちがついていきません。
周りの言葉に傷ついたり、結果が出ないことに落ち込んだりして、何を読めば少し楽になるのか分かりません。

妊活や不妊治療に疲れた時は、頑張る方法だけでなく、気持ちを整理するための言葉が必要になることがあります。
『妊活に疲れたら、開く本』は、「もっと頑張ろう」と励ます本ではなく、不妊という状況の中で、自分の人生をどう守るかを考えるきっかけになる一冊です。
妊活や不妊治療を続けていると、ある日ふっと、心が疲れてしまうことがあります。
検査を受ける。
通院する。
薬を飲む。
排卵日を気にする。
治療費を考える。
仕事を調整する。
夫婦で話し合う。
判定日を待つ。
周囲の妊娠報告に心が揺れる。
一つひとつは何とかこなせていても、積み重なると苦しくなります。
「私は何のために頑張っているのだろう」
「結果が出ない私はだめなのだろうか」
「子どもがいない人生を考えるのが怖い」
「妊活を休みたいけれど、休んだら後悔しそう」
そんな気持ちになることもあるかもしれません。
今回紹介する『妊活に疲れたら、開く本』は、妊活に疲れた時、無理に前向きになるための本ではありません。
「頑張ればきっと授かる」
「諦めなければ夢は叶う」
「もっと努力しましょう」
そう励ます本でもありません。
むしろ、不妊治療の中で傷ついた心をどう守るか、不妊という経験に飲み込まれすぎずに、自分の人生をどう取り戻すかを考えさせてくれる本です。
この記事では、『妊活に疲れたら、開く本』の概要、著者・平山史朗さんについて、読んで心に残ったこと、どんな人におすすめかを妊活フォーラム編集部の視点で紹介します。
妊活フォーラム編集部
妊活・不妊治療に向き合う夫婦の「仕事」「お金」「夫婦関係」「男性妊活」の悩みを、当事者目線で整理しています。医療的な判断ではなく、治療を続けるための生活上の工夫や考え方を中心に発信しています。
妊活に疲れた時、本を開くことで少し楽になることがある
妊活に疲れた時、必要なのは新しい情報とは限りません。
排卵日の計算。
治療の成功率。
クリニックの比較。
サプリや食事の情報。
妊娠した人の体験談。
妊活中は、情報を集めようと思えばいくらでも集められます。
でも、情報が多すぎるほど、かえって疲れてしまうことがあります。
自分より早く妊娠した人の話を見て落ち込む。
「これをしたら妊娠した」という体験談に振り回される。
「もっと頑張らなければ」と自分を追い込む。
周囲の何気ない言葉が刺さる。
そんな時は、妊活の方法を増やすより、今の自分の気持ちを整理する時間が必要なのかもしれません。
『妊活に疲れたら、開く本』は、妊娠するためのテクニックを教える本ではありません。
妊活や不妊治療の中で傷ついた心を、少し離れたところから見つめ直すための本です。
「妊活に疲れた」と感じている人にとって、無理に前を向かせるのではなく、立ち止まることを許してくれるような一冊です。
『妊活に疲れたら、開く本』とは
『妊活に疲れたら、開く本』は、平山史朗さんによる妊活・不妊治療のメンタルに向き合う本です。
不妊治療を頑張る方法ではなく、不妊という状況の中で、自分の心や人生をどう守るかを考える内容になっています。
| タイトル | 妊活に疲れたら、開く本 | ||
|---|---|---|---|
| 著者 | 平山史朗 | ||
| 出版社 | 主婦の友インフォス | ||
| 発売日 | 2017年9月29日 | ||
| ISBN | 9784074268511 | ||
| ページ数 | 160ページ | ||
書名の通り、妊活に疲れた時に開きたい本です。
ただし、気休めの言葉だけが並んでいる本ではありません。
不妊がその人の人生や人間関係にどれほど大きく影響するかを、心理の専門家の視点から丁寧に見つめています。
妊活中の人が感じやすい、罪悪感、焦り、孤独、嫉妬、怒り、夫婦のすれ違い、周囲との距離感、治療を休むことへの迷い。
そうした感情を、否定せずに整理する助けになる本です。
著者・平山史朗さんについて
著者の平山史朗さんは、臨床心理士であり、生殖心理カウンセラーです。
東京HARTクリニックで臨床心理士として活動し、不妊治療に向き合う人たちの心の支援に関わってきた専門家です。
資格として、臨床心理士、生殖心理カウンセラー、家族心理士、がん・生殖医療専門心理士などが紹介されています。
本書が特徴的なのは、妊活や不妊治療を「妊娠するための行動」としてだけ見ていないことです。
不妊という経験が、その人の存在や人生、人間関係を大きく揺さぶるものとして描かれています。
だからこそ、読んでいると「自分が弱いからつらいのではない」と感じやすいのだと思います。
不妊治療でつらくなるのは、努力不足だからではありません。
治療そのものだけでなく、期待と落胆、周囲との関係、将来への不安、自分の価値への揺らぎが重なるからです。
『妊活に疲れたら、開く本』の目次
本書は、妊活や不妊治療に向き合う人が抱えやすい悩みを、心の面から整理する流れになっています。
- 第一章:子どもを持つこと、それは当たり前なのでしょうか
- 第二章:不妊の問題はコミュニケーションの問題でもあるようです
- 第三章:上手に距離を取る、うまく引きこもるという対処法
- 第四章:納得のできる治療の受け方。心のケアはカウンセラーに
- 第五章:不妊治療をいったん休んでみるという選択肢
- 第六章:不妊治療は「自分はどう生きるか?」を考えること
目次を見るだけでも、この本が単なる「妊娠するための本」ではないことが分かります。
子どもを持つことの意味。
夫婦や周囲とのコミュニケーション。
人と距離を置くこと。
治療を受ける時の納得感。
治療を休むという選択肢。
自分はどう生きるか。
妊活や不妊治療に疲れた人が、一度立ち止まって考えたいテーマが並んでいます。
すべての章が、すべての人に当てはまるわけではありません。
でも、今の自分に必要なページが見つかる可能性があります。
最初から最後まで一気に読むというより、つらい時に気になる章を開く読み方も合っている本だと思います。
この本で特に心に残ったこと
ここからは、妊活フォーラム編集部として、特に心に残った点を整理します。
本の内容をすべて要約するのではなく、妊活や不妊治療に疲れている人に届きやすいポイントに絞って紹介します。
不妊は人生のすべてではない
妊活や不妊治療を続けていると、いつの間にか「妊娠できるかどうか」が人生の中心になってしまうことがあります。
次の診察。
次の排卵日。
次の採卵。
次の移植。
次の判定日。
生活の予定が、治療の予定を中心に回っていく。
それ自体は、不妊治療をしている以上、ある程度は避けられないことかもしれません。
でも、治療が人生のすべてになってしまうと、心が追い込まれていきます。
妊娠できなければ、自分の人生に価値がない。
子どもがいなければ、普通ではない。
結果が出ない自分は、どこか欠けている。
そんなふうに感じてしまうことがあります。
本書を読むと、不妊という状況に苦しみながらも、それでも自分の人生は治療だけで決まるものではないと、少し距離を取って考えるきっかけになります。
不妊は大きな出来事です。
でも、不妊がその人のすべてではありません。
その当たり前のことを、疲れている時ほど忘れてしまうのだと思います。
距離を置くことも自分を守る方法
妊活中は、人との関わりがつらくなることがあります。
友人の妊娠報告。
親戚の集まり。
職場での子どもの話題。
何気ない「子どもはまだ?」という言葉。
SNSに流れてくる出産報告。
相手に悪気がないと分かっていても、傷つくことがあります。
そんな時、「自分は心が狭いのでは」と責めてしまう人もいるかもしれません。
でも、傷つく場所から距離を置くことは、逃げではありません。
自分を守るための対処法です。
妊活中は、すべての人間関係をいつも通り保とうとしなくてもよいと思います。
会うのがつらいなら、少し距離を置く。
SNSを見るのがつらいなら、しばらく見ない。
親戚の集まりが負担なら、無理に参加しない。
説明したくないことは、説明しない。
本書は、そうした距離の取り方を、わがままではなく、自分を守るための方法として考えさせてくれます。
治療を休むという選択肢
妊活や不妊治療では、「休むこと」がとても怖く感じることがあります。
年齢が気になる。
時間がもったいない気がする。
休んでいる間に可能性が下がる気がする。
一度休むと再開できない気がする。
だから、心も体も限界に近いのに、次の周期へ進んでしまうことがあります。
もちろん、治療を休むかどうかは、年齢や治療状況、医師の判断、夫婦の考えによって慎重に決める必要があります。
ただ、「休む」という選択肢を考えること自体が悪いわけではありません。
治療を休むことは、諦めることと同じではありません。
自分の心と体を整えるために、一度立ち止まることもあります。
本書を読むと、治療を続けることだけが正解ではなく、納得して治療と向き合うために休むという考え方もあるのだと感じられます。
男性側の当事者として読んで感じたこと
この記事を書いている編集部には、男性側の当事者として不妊治療に向き合ってきた視点があります。
不妊治療は、女性側の負担が大きくなりやすいものです。
通院、検査、薬、採卵、移植、体調の変化。
その多くは女性の体に起こります。
一方で、男性側もまた、言葉にしづらい罪悪感や無力感を抱えることがあります。
何をすればよいか分からない。
自分が支えになれているのか分からない。
検査結果が怖い。
妻を傷つける言葉を言ってしまうのが怖い。
励ましたつもりが、かえって相手を孤独にしてしまう。
男性側から読むと、この本は「不妊治療で苦しむ女性をどう励ますか」という本ではありません。
むしろ、不妊という経験が夫婦それぞれの人生を揺さぶるものなのだと、静かに考えさせられる本です。
特に心に残ったのは、子どもを持つことが本当に当たり前なのか、自分にとっての幸せとは何かを問い直す視点です。
妊活を続けていると、いつの間にか「子どもを授かること」が人生のゴールのように感じられることがあります。
もちろん、子どもを望む気持ちは大切です。
でも、子どもを授かればすべての問題が解決するわけではありません。
子どもがいない人生を考えることは、妊活を諦めることではありません。
自分たちの人生を、妊活だけに支配されないようにするための大切な問いでもあります。
男性側にも、この本は読んでほしいと思います。
妻を励ますためではなく、夫婦で不妊治療という経験をどう受け止めるかを考えるためにです。
この本をおすすめしたい人
『妊活に疲れたら、開く本』は、妊活や不妊治療の方法を知りたい人より、心の整理をしたい人に向いています。
特に、次のような人におすすめです。
- 妊活に疲れてしまった人
- 不妊治療の結果が出ず、落ち込んでいる人
- 周囲の妊娠報告がつらい人
- 「子どもがいない人生」を考えるのが怖い人
- 治療を休むことに罪悪感がある人
- 夫婦で不妊治療への向き合い方がずれている人
- 頑張れという言葉に疲れている人
- 妊活中の家族や友人をどう支えればよいか悩んでいる人
この本は、「読むとすぐ元気になる本」ではないかもしれません。
むしろ、少し立ち止まって、自分の中にあるつらさや迷いを見つめる本です。
だからこそ、妊活に疲れた時に、静かに開きたくなる一冊です。
読む時に注意したいこと
妊活や不妊治療で心が疲れている時、本を読むこと自体が負担になることもあります。
この本がよい本であっても、すべての人に、すべてのタイミングで合うとは限りません。
無理に全部読まなくていい
妊活に疲れている時は、集中して本を読むのが難しいことがあります。
最初から最後まで読もうとしなくて大丈夫です。
気になる章だけ読む。
数ページだけ読む。
目次を眺めるだけにする。
つらくなったら閉じる。
そのくらいの読み方でよいと思います。
「妊活に疲れたら、開く本」というタイトルの通り、必要な時に開く本として手元に置くのが合っています。
読んでつらくなる時は距離を置いていい
不妊治療や子どものいない人生について考えることは、とても大きなテーマです。
読むタイミングによっては、かえって気持ちが揺れることもあるかもしれません。
その場合は、無理に読み進めなくて大丈夫です。
本を閉じることも、自分を守る選択です。
今は読めなくても、別のタイミングなら受け取れる言葉があるかもしれません。
本だけで抱え込まない
本は、心を整理する助けになります。
でも、強い不安やつらさが続く時、本だけで抱え込む必要はありません。
不妊治療クリニックのカウンセリング、自治体の相談窓口、心理カウンセラー、信頼できる人など、外の支えを使ってよいと思います。
妊活や不妊治療のつらさは、一人で我慢し続けるものではありません。
『妊活に疲れたら、開く本』の書評まとめ
『妊活に疲れたら、開く本』は、妊活をもっと頑張るための本ではありません。
不妊治療を続ける人に、「前向きに頑張りましょう」と背中を押す本でもありません。
むしろ、妊活に疲れた人が、自分のつらさを否定せず、不妊という状況に飲み込まれすぎないための本です。
妊活や不妊治療は、体だけでなく、心、人間関係、夫婦関係、仕事、人生観にまで影響します。
だからこそ、治療の方法だけでなく、気持ちを守るための言葉が必要になることがあります。
この本は、そんな時に手元に置いておきたい一冊です。
妊活に疲れた時。
不妊治療を休むか迷った時。
周囲の言葉に傷ついた時。
夫婦で治療への向き合い方がずれている時。
子どもがいない人生を考えるのが怖くなった時。
無理に答えを出すためではなく、自分の心を守るために開いてみてもよいと思います。
妊活に疲れたあなたが、少しでも自分を責める気持ちから離れられる。
そのきっかけになるかもしれない本です。


















































































