妊娠しやすいカラダを作ろうと運動には特に力を入れています。
残念ながら妊娠には至らず、なぜか、医師から少し運動を控えるように言われました。
しかし、妊活に限っては、運動のしすぎがマイナスに働くこともあるので注意が必要です。
この記事では、「運動のしすぎが、なぜ、妊娠力を低下させるのか」や「妊活に適した運動量」について解説します。
妊活時の運動は体型にも関係するので、通院しているのであれば医師に相談しましょう。
妊活に必要な運動は「適度」と「しすぎ」で結果が変わる
最近の研究では、「適度な運動はすべての女性にとって有益であり、生殖能力を向上させる可能性がある」という結果が報告されいます。
参考:Rooney KL, Domar AD. The relationship between stress and infertility. Dialogues Clin Neurosci. 2018;20(1):41–47.
適度な運動を行うことで、冷えによる血行不良やストレスを解消することができます。
妊活に取り組もうと決めたら、「まずは『標準体重』に近い健康的なスタイルを目指しましょう」と言われると思います。
過剰に体脂肪がついていると、ホルモンのバランスが崩れて、妊娠しにくくなります。
「妊活=ダイエット=激しい運動」というイメージが強いのは、ダイエットが必要な人が多いせいかもしれません。
激しい運動は肥満の女性に取っては、妊娠しやすいカラダに近付く方法ですが、標準体重の女性の妊娠する力には悪影響を及ぼす可能性があることが分かっています。
参考:Mckinnon CJ, Hatch EE, Rothman KJ, et al. Body mass index, physical activity and fecundability in a North American preconception cohort study. Fertil Steril. 2016;106(2):451-9. doi:10.1016/j.fertnstert.2016.04.011
運動のしすぎとは? 妊活に及ぼす影響まとめ
「運動のしすぎ」とは、どの程度の運動をいうのでしょうか?
運動が引き起こす悪影響についての研究結果をもとに、目安をまとめました。
逆に、適度な運動はすべての女性で受胎可能性を改善することがわかっている「1時間以上、週に5時間未満」を目安にしてみてはいかがでしょうか。
激しい運動の例
- 自転車
- ジョギング
- 水泳
- ウェイトトレーニング
適度な運動の例
- ウォーキング
- ヨガ
- 家事やガーデニング
なぜ、運動をしすぎると妊娠力が低下するのか?
運動のしすぎは、なぜ、女性の妊娠する力を低下させるのでしょうか?
これにはいくつか説があります。
原因の一つとして考えられるのが、カラダへの大きな負荷が引き起こす黄体期障害です。
黄体期とは、排卵から予定日までの期間。
通常は12〜16日ですが、黄体期が短くなると、妊娠の妨げになることがあります。
黄体期は、受精卵が子宮内膜に付着するために、プロゲステロンのレベルが高くなっています。
プロゲステロンの濃度が低いと、受精卵の着床を妨げ、不妊の原因になります。
女性の生殖系を整えるホルモンであるGnRH、LH、FSH、エストラジオールが、排卵を妨げるように変化することも考えられます。
また、食欲や代謝に関係するレプチンの変化も原因に一つかもしれません。
カラダに過剰な負荷がかかり食欲が低下していると、規則的な排卵を妨げる可能性があります。
激しい運動をする女性は、食事制限をする傾向が強く、「痩せすぎ」を引き起こしていることも考えられます。
痩せすぎも不妊の原因になるので注意しましょう。
「運動しすぎ」とは逆に「運動不足」が問題になる女性も増加
運動のしすぎが問題になる女性もいますが、逆に運動不足が問題になる女性も増えています。
冒頭で触れましたが、太りすぎも妊娠を遠ざけます。
太っている場合は、激しい運動を心配する必要はありません。
スクワットなど下半身を鍛えることに注目してみましょう。
運動が好きな人は「しすぎ」に注意|運動量や減らしたり、軽い運動に変更を
では、太りすぎではないけど、運動は好きという人は、どうすれば良いでしょう?
運動には多くの健康上の利点があります。
運動は豊かな人生を送る上で欠かせないものです。
また、セルフコントロールを高める効果もあり、これは辛い妊活に取り組む大きな力になることでしょう。
とはいえ、妊娠を目指している人で、週に4時間以上の激しい運動を日課にしている方は、運動量を減らした方がよいでしょう。
ヨガやウォーキングなどの軽い運動に変えてみるのも良いと思います。
まとめ:「運動のしすぎ」は肥満の女性をのぞいて悪影響がある
「適度な運動」がすべての女性を妊娠しやすいカラダに変えます。
適度な運動は1時間以上、週に5時間未満が目安。
「運動のしすぎ」は肥満の女性をのぞいて、悪影響があるので注意が必要です。
妊活中の「激しい運動」は週に4時間以下に制限するようにしましょう。