女性の心配ごとは「レントゲンや麻酔、処方される薬が胎児に悪影響を与えるのではないか」という点だと思いますが、妊活中または妊娠中であることをしっかり伝えれば問題ありません。
そもそも、歯科治療に使われるレントゲンや麻酔は胎児に影響がないとされています。
治療よりも虫歯や歯周病を放置しておくことの方が問題です。歯周病のある女性は疾患のない女性に比べて、早産のリスクが7.5倍も高くなるという報告があります。
妊活をはじめるなら、早めに治療し、きれいな歯を保つことが大切です。
この記事では、妊活で見落とされがちな「口腔ケア」について、また、簡単に取り組める健康法「オイルプリング」について解説します。
歯周病で妊娠できないと言われる訳|世界一多い病気で日本人の8割がかかっている
「世界一多い病気は何でしょう?」
歯科医師の講演に出掛けると、決まってこのクイズが出されます。
答えは「歯周病」です(この記事の流れで歯周病以外の病気であるはずがありませんが……)。
歯周病は2001年にギネスブックに記載されて以来、世界一の座に“君臨”し続けています。
そして、あまり知られていませんが、日本一多い病気でもあり、成人の8割がかかっていると言われています。
「口の病気」と思われがちですが、心臓病や糖尿病などカラダの病気を誘発します。
そして、歯周病が「これから授かる赤ちゃんにも影響を与える」ことも、残念ながら、あまり知られていません。
歯周病は、特に妊娠中、ホルモンの影響を受けて悪化しやすく、「妊娠性歯肉炎」という病気にかかりやすくなることが分かっています。
「妊娠が分かってから、歯を磨くと血が出やすくなった」と悩む人が多いのはこのためです。
この記事の冒頭で「歯周病のある女性は疾患のない女性に比べて、早産のリスクが7.5倍も高くなる」と紹介しましたが、妊娠性歯肉炎こそが早産児や低出生体重児といったリスクを引き起こす原因だと言われています。
症状が重いほど、赤ちゃんに大きな影響が予想されます。
赤ちゃんの歯の健康を守る目的も|妊活中はカップルで口腔ケアを
妊娠中はつわりなども影響し、虫歯にもなりやすくなります。
虫歯の原因は「ミュータンス菌」で、口腔ケアを怠ると増殖します。
無菌で生まれてくる赤ちゃんに、ミュータンス菌をうつしてはいけません。
妊娠する前からカップルで口腔ケアに取り組むことが大切です。
歯の治療は大きなストレスなので妊活中に歯医者へ通うことは避けたい
過度なストレスはホルモンバランスを崩し、不妊につながることがあります。
多くの人にとって、歯の治療が大きなストレスになることでしょう。
妊活中に歯の治療を受けることは可能ですが、できるなら避けたいものです。
授かることが目的なら口腔ケアに「オイルプリング」を取り入れてみよう
最後に、手軽に、そして安価にはじめられる口腔ケアとして、「オイルプリング」を紹介します。
オイルプリングは「植物油で口をすすぐ」という健康法で、インドの伝統療法「アーユルヴェーダ」で行われてきたものです。
口内の細菌を除去し、健康を保つカラダ本来の力を引き出すことができると言われています。
これらは妊娠しやすいカラダをつくる上でもうれしい情報ですが、自然療法医のブルース・ファイフ氏は「このほかに、オイルプリングは医学ではいまだに治療方法がみつかっていない問題も解決する」といった旨を伝えているようです。
オイルプリングに使用する植物油は、ごま油、オリーブオイルなど何でも構いませんが、高い効果が期待できるのがココナッツオイルです。
最低1日1回行いましょう。
口腔ケア「ココナッツ・オイルプリング」の手順
step1 始める前に水を飲む
唾液をよく出すために水を飲みます。
唾液は細菌を除去する助けになります。
満腹様態で行うと苦しくなってしまうので、慣れるまでは空腹時に始めましょう。
step2 ココナッツオイルを口に含む
ココナッツオイルを大さじ1杯分、口に含みます。
最初は少なめのオイルで始めましょう。
step3 オイルを口の中で動かす
唇をしっかりと閉じ、マウスウォッシュの要領で、「くちゅくちゅ」と口の中のオイルを動かします。
15~20分間、まんべくなく動かし続けましょう。
step4 オイルを捨てる
口の中のオイルを紙やポリ袋に吐き出して、口を水ですすぎます。
まとめ:赤ちゃんを授かることが目的なら口腔ケアはしっかりと!
- 歯周病は日本人の成人の8割がかかっている
- 歯周病のある女性は疾患のない女性に比べて、早産のリスクが7.5倍も高くなるという報告がある
- 歯の治療は妊活中も可能だが、ストレスが大きいので、できれば、妊活をはじめる前に行う
- 妊活中はカップルで口腔ケアをしっかりと行う
妊活に取り組む中で、口腔ケアは見落としがちですが、とても大切なポイントです。
オイルプリングなどを活用して取り組みながら、定期的に歯科医で検査しましょう。