【書評】『腸から始める妊活のススメ』を読んだ感想|妊活中に食生活を見直したくなる一冊

妊活を続けていると、どうしても「何が足りないのだろう」「何を変えればいいのだろう」と考えてしまうことがあります。

病院に通うこと、排卵日を意識すること、サプリを飲むこと、体を冷やさないようにすること。

できることは色々ありますが、情報が多すぎて、かえって疲れてしまうこともありますよね。

そんな時に読んでみて良かった一冊が、藤田絋一郎さんの『腸から始める妊活のススメ』です。

本書は、妊活を「腸内環境」や「食生活」の視点から考える少しユニークな妊活本です。

もちろん、腸活だけで妊娠できるわけではありません。

不妊の原因は、排卵、卵管、子宮、精子、年齢、生活習慣など、さまざまです。

妊活が長引いている場合は、婦人科や不妊治療専門クリニックに相談することも大切です。

ただ、本書を読むと、妊活中に見直せる生活習慣がまだたくさんあることに気づかされます。

妊活で落ち込んでいる時に、「まだ今日からできることがある」と思わせてくれる一冊です。


『腸から始める妊活のススメ』はどんな本?

『腸から始める妊活のススメ』は、藤田絋一郎さんによる妊活本です。

著者の藤田絋一郎さんは、「カイチュウ博士」として知られた医学博士で、寄生虫学、熱帯医学、免疫学などを専門に研究してきた方です。

本書では、妊活を考えるうえで、子宮や卵巣だけでなく、腸内環境や食生活にも目を向けることの大切さが語られています。

印象的なのは、妊活を特別なこととしてではなく、日々の暮らし全体から見直していく視点です。

食事、睡眠、運動、ストレス、働きすぎ、笑うこと、自然に触れること。

そうした当たり前の生活習慣が、妊活中の体づくりにも関係しているのだと気づかされます。

 本書は「腸活をすれば妊娠できる」と断定する本ではなく、妊活中に食生活や生活習慣を見直すきっかけになる一冊として読むのがおすすめです。
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『腸から始める妊活のススメ』の概要

タイトル腸から始める妊活のススメ
著者藤田絋一郎
出版社株式会社ワニ・プラス
初版発行2018年4月20日
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著者・藤田絋一郎さんについて

藤田絋一郎さんは、東京医科歯科大学名誉教授で、寄生虫学や免疫学の分野で知られる医学博士です。

「カイチュウ博士」としてテレビや書籍でも知られており、腸内細菌、免疫、寄生虫、アレルギーなどに関する多くの著書があります。

妊活本の著者というより、腸や免疫の専門家が妊活を語っているところが、本書の特徴です。

妊活というと、どうしても婦人科や不妊治療の話に意識が向きがちです。

しかし本書では、腸内環境や食生活、暮らし方を整えることも、妊活中の体づくりの一部として紹介されています。

藤田絋一郎さんの主な専門分野

  • 寄生虫学
  • 熱帯医学
  • 免疫学
  • 腸内細菌に関する研究・啓発

なお、藤田絋一郎さんは2021年5月14日に誤嚥性肺炎のため亡くなられました。

本書の目次

『腸から始める妊活のススメ』は、次のような構成になっています。

  • 1章:腸がよければ、妊娠力も上がる
  • 2章:母の腸内フローラがわが子の健康を決める
  • 3章:男たちよ。ちゃんと男性力を発揮していますか?
  • 4章:腸を元気にして、妊娠力を高める「食」習慣
  • 5章:生活・考え方を変えれば、妊娠力も変わる

3章では男性に向けた内容も書かれています。

妊活は女性だけが頑張るものではありません。

食事や生活習慣の見直しは、夫婦で一緒に取り組む方が続けやすいです。

そういう意味でも、この本は女性だけで読むより、パートナーと一緒に読む方が良い一冊だと感じました。

本書で印象に残ったポイント

腸内環境を整えることは、妊活中の体づくりにもつながる

本書の中心にあるのは、腸内環境を整えることの大切さです。

腸は、食べたものを消化・吸収し、不要なものを排出するだけの器官ではありません。

免疫や代謝、栄養の吸収にも関わっているため、健康な体づくりを考えるうえで大切な場所です。

妊活中は、葉酸、鉄分、たんぱく質、ビタミンD、亜鉛など、さまざまな栄養素が話題になります。

しかし、栄養を意識して摂っていても、食生活全体が乱れていたり、腸内環境が悪かったりすれば、体調は整いにくくなります。

本書を読むと、「何を摂るか」だけでなく、「毎日の食事全体をどう整えるか」を考えたくなります。

 腸活だけで妊娠できるわけではありません。ただ、腸内環境や食生活を整えることは、妊活中の健康管理の一部として大切です。

食生活を見直すきっかけになる

本書の中で特に読み応えがあるのは、食習慣に関する章です。

白い糖質、AGE、食物繊維、発酵食品、味噌、油の取り方など、妊活中でなくても気になるテーマが多く扱われています。

妊活中は、サプリに意識が向きがちです。

もちろん、葉酸など妊娠前から意識したい栄養素はあります。

ただ、サプリだけに頼るのではなく、毎日の食事を整えることが基本です。

本書を読むと、次のようなことを見直したくなります。

  • 甘いものを食べすぎていないか
  • 野菜や海藻、きのこ類が不足していないか
  • 発酵食品を取り入れているか
  • 油の質を意識しているか
  • 朝食を抜いていないか
  • 便通のリズムが乱れていないか

難しい栄養学を完璧に理解しなくても、「まずは今日の食事を少し変えてみよう」と思えるのが本書の良いところです。

妊活は「人間らしい暮らし」を取り戻すことでもある

本書を読んで一番印象に残ったのは、妊活を特別なこととして追い込みすぎない視点です。

妊活中は、どうしても結果ばかりを見てしまいます。

基礎体温、排卵日、検査結果、妊娠判定。

毎月の結果に振り回されて、心も体も疲れてしまうことがあります。

でも本書を読むと、妊活はもっと日々の暮らしに根ざしたものなのだと感じます。

朝ごはんを食べる。

よく眠る。

働きすぎない。

ほどほどに体を動かす。

たくさん笑う。

自然に触れる。

こうした生活の土台を整えることが、妊活中の自分を支えるのだと気づかされます。

「赤ちゃんを授かるために頑張らなきゃ」と力が入りすぎている人ほど、読んでみる価値があると思います。

腸活だけで妊娠できるわけではない

ここは大切なので、はっきり書いておきます。

腸活だけで妊娠できるわけではありません。

腸内環境を整えたり、食生活を見直したりすることは、妊活中の健康管理として大切です。

しかし、不妊の原因には医療的な確認が必要なものもあります。

  • 排卵障害
  • 卵管の詰まり
  • 子宮内膜症
  • 子宮筋腫
  • 男性不妊
  • 年齢による妊娠率の低下
  • 原因不明不妊

これらは、食生活を整えるだけでは判断できません。

妊活を始めて一定期間が過ぎても妊娠しない場合や、年齢が35歳以上の場合、生理不順や強い生理痛がある場合は、早めに婦人科や不妊治療専門クリニックで相談しましょう。

 腸活は妊活中の体づくりを支える選択肢のひとつです。不妊検査や治療の代わりではなく、医療的な確認とあわせて考えることが大切です。

妊活中に今日から見直せる生活習慣

本書を読んで、「今日からできそう」と感じたことをまとめます。

難しいことではありません。

どれも、妊活中の自分を少しずつ整えるための習慣です。

朝食を抜かない

忙しい朝は、つい朝食を抜いてしまいがちです。

しかし、食事のリズムは体調管理の基本です。

まずは、味噌汁、卵、納豆、ヨーグルト、果物など、無理なく食べられるものから始めてみましょう。

発酵食品を取り入れる

腸内環境を意識するなら、発酵食品を取り入れるのも良い方法です。

味噌、納豆、ぬか漬け、ヨーグルト、キムチなど、続けやすいものを選びましょう。

ただし、発酵食品だけを大量に食べれば良いわけではありません。

大切なのは、日々の食事の中で無理なく続けることです。

食物繊維を意識する

野菜、海藻、きのこ、豆類、玄米などに含まれる食物繊維は、腸内環境を考えるうえで大切です。

外食やコンビニ食が多いと、どうしても不足しがちになります。

味噌汁にきのこやわかめを入れる、白米に雑穀を混ぜる、間食をナッツや果物にするなど、小さな工夫から始めるのがおすすめです。

睡眠を削らない

妊活中は、食事だけでなく睡眠も大切です。

睡眠不足が続くと、体調だけでなく、気持ちも不安定になりやすくなります。

「妊活のために何かしなきゃ」と夜遅くまで調べ物をするより、早く寝ることの方が体にやさしい日もあります。

働きすぎない

本書を読んで、働き方を見直すことも妊活の一部だと感じました。

毎日残業続きで、食事も睡眠も乱れ、ストレスがたまり続けている状態では、心も体も疲れてしまいます。

すぐに仕事を変えることは難しくても、休み方、家事の分担、通院スケジュール、働き方について、夫婦で話し合うことはできます。

夫婦で読んでほしい理由

妊活本は、女性だけが読むものと思われがちです。

しかし、『腸から始める妊活のススメ』は、夫婦で読むのがおすすめです。

理由は、妊活が女性だけの問題ではないからです。

食生活や生活習慣は、夫婦で一緒に整えた方が続けやすくなります。

妻だけが野菜を増やし、妻だけが睡眠を意識し、妻だけがストレスを抱えている状態では、妊活は苦しくなります。

夫婦で同じ本を読むことで、妊活を「二人のこと」として考えるきっかけになります。

  • 食生活を一緒に見直せる
  • 男性側の妊活意識も高まりやすい
  • 生活習慣の改善を夫婦で続けやすい
  • 妊活の負担が女性だけに偏りにくい
  • 会話のきっかけになる

妊活で大切なのは、どちらか一方が頑張ることではありません。

夫婦で同じ方向を向くことです。

『腸から始める妊活のススメ』はこんな人におすすめ

本書は、次のような人におすすめです。

おすすめできる人
  • 妊活中に食生活を見直したい人
  • 腸活に興味がある人
  • 妊活で気持ちが落ち込みがちな人
  • 不妊治療以外に自分でできることを探している人
  • 夫婦で生活習慣を整えたい人
  • 妊活本を何冊か読んでみたい人

逆に、医学的な不妊治療の詳しい解説を知りたい人には、少し方向性が違うかもしれません。

体外受精、顕微授精、人工授精、排卵誘発、検査内容などを知りたい場合は、不妊治療専門医が監修した本やクリニックの資料を読む方が適しています。

本書は、医療的な治療法を学ぶ本というより、妊活中の暮らしを見直す本です。

藤田絋一郎さんの他の本

藤田絋一郎さんは、腸内細菌や免疫に関する本を多く出版しています。

『腸から始める妊活のススメ』を読んで、腸内環境や腸活に興味を持った方は、他の本を読んでみるのも良いでしょう。


まとめ:妊活中に生活習慣を見直したくなる一冊

『腸から始める妊活のススメ』は、腸内環境や食生活の視点から妊活を考える一冊です。

腸活だけで妊娠できるわけではありません。

妊活が長引く場合は、婦人科や不妊治療専門クリニックで相談することが大切です。

それでも本書には、妊活中の体づくりを考えるヒントがたくさんあります。

  • 腸内環境を整えることの大切さ
  • 食生活を見直すきっかけ
  • 睡眠や運動など生活習慣の重要性
  • 働きすぎないこと
  • 夫婦で妊活に向き合うこと

妊活中は、思うように結果が出ずに落ち込む日もあります。

そんな時、「まだ今日からできることがある」と思えるだけで、少し前を向けることがあります。

妊活本を何冊か読んでみたい方、食生活や腸活に興味がある方、夫婦で生活習慣を見直したい方は、本書を手に取ってみてはいかがでしょうか。


 

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