インターネットで調べましたが、情報はバラバラで、何を信じて良いのかわかりません。
「妊活中にコーヒーを飲まない方が良い」と聞いたことがある人は多いと思いますが、インターネット上では、情報が一人歩きしてしまっているように感じます。
飲まない方が良いと言われている理由は、コーヒーに含まれるカフェインにあると言われています。
カフェインは過剰に摂取すると、不妊になりやすいことが分かっています。
とはいえ、飲み過ぎなければ大丈夫です。
大切はなのは「飲み過ぎないって、どのくらいの量?」という部分と、コーヒーのメリットを正しく理解することだと思います。
この記事では、妊活とカフェインの関係についての情報をまとめました。
デカフェでも大きな恩恵を受けることができます。
【カフェイン摂取量】妊活はさておき、自分の“限度”を知っていますか?
コーヒーを1日に3杯以上飲むと寝つけなくなるならカフェインに弱い体質です
カフェインに限ったことではありませんが、体質には個人差があります。
まずは、自分が摂取できるカフェインの量を上限を調べることが大切です。
人類の半分は、遺伝的にカフェインの代謝が遅い体質(カフェインに弱い体質)だと言われています。
カフェインの代謝については、遺伝子検査で調べる方法もありますが、次のような人は、カフェインに弱い人だと考えられます。
例えば、夕食後に、コーヒーを飲んでも、いつも通りに寝付けるならば、代謝が早い体質(カフェインに強い体質)だと考えられます。
カフェインに弱い体質の人は、コーヒーの摂取に工夫が必要だと思います。
「×飲めば飲むほど」「○カフェイン量400mg以下」☆コーヒーで健康になれる
少し脱線しますが、情報の一人歩きについての例を紹介します。
「コーヒーを飲むとガンになる」と聞いたことがありませんか?
このところは「コーヒーを飲むと、がん、心臓病、脳卒中のリスクが下がる可能性がある」と聞いたことがある人も多いと思います。
実は、コーヒーに対しての評価は、過去数十年の間にコロコロと変化してます。
また、疫学研究では、コーヒーの研究は非常に多く、2000を超える論文が存在します。
近年ではコーヒーが健康に良いと権威ある研究所が相次いで発表しています。
コーヒーを飲む習慣がある人は脳卒中、心臓疾患、呼吸器系疾患、糖尿病などによる死亡率が低いといいます。
コーヒーが健康に良いという話は後で改めて説明しますが、リスクを下げるのは「1日のコーヒー摂取量が適度な場合」だというポイントが重要です。
アメリカ政府の科学諮問機関は、2~5杯(カフェイン400mg)を適度な摂取量としています。
コーヒーは過剰に摂取すると、脳卒中や血管病などのリスクが高まることも分かっています。
日本では2013年、国立がん研究センターなどを中心にした研究チームが「コーヒーを1日に2杯以上飲む人では、脳卒中のリスクが下がる」と発表し、注目を集めました。
しかし、多くのマスコミが「2杯以上」を「よく飲む人」と報道したようです。ニュースを見た多くの人が「飲めば飲むほど良い」と誤った解釈をしてしまったようです。
インターネットやスマートフォン、SNSの普及で誰もが簡単に情報を得ることが可能な時代になりました。
しかし、正しい情報を得ることはとても難しいことであり、正しい情報を得るスキルを磨くことはとても大切なことだと改めて思います。
なぜ「妊活・妊娠中にコーヒーを飲むとダメ」と言われているのか【カフェイン摂取量との関係】
妊活、そして妊娠中にコーヒーを飲むのはNGだとなぜ、言われているのでしょうか。
インターネット上に出回っている理由は主に次の4つです。
- カラダを冷やす
- 睡眠を妨げる
- 流産のリスクが高まる
- 不妊のリスクが高まる
これらの理由の真意をできる限り調べてみました。
「コーヒーはカラダを冷やす」という意見がありますが根拠はありません
雑誌やインターネットのサイトには「コーヒーはカラダを冷やす」という意見がたくさん書かれています。
しかし、文献を広げても、コーヒーがカラダを冷やすことを実証した根拠を見付けることができません。
「カフェインは利尿作用があり、尿と一緒に、カラダの熱を逃がしてしまう」という意見もありますが、これも裏付けがありません。
また、カフェインを摂取すると、卵子の質が良くなったという話を聞きますが、カフェインが卵子の質に直接はたらくような事実も見付けることはできませんでした。
カフェインの覚醒効果が睡眠の妨げになる
妊娠しやすいカラダをつくるために、良質な睡眠は欠かせません。
カフェインには覚醒効果があることが知られており、睡眠が妨げられるという意見もたくさん書かれています。
しかし、カフェインの代謝に個人差があることは、先述の通りです。
妊娠中にカフェインを過剰摂取すると流産、低体重などの恐れがある
カフェインの影響は妊娠してからの方が大きいと言われています。
また、低体重の恐れなど胎児にも影響があるとも言われています。
妊娠初期と妊活期はかぶる期間もありますから注意が必要だというのは、うなずけます。
妊活中にカフェインを過剰摂取すると不妊率が1.45倍に?
スペイン、デンマーク、イタリア、フランスなどの研究者が1997年、American Journal of Epidemiologyに報告した論文「Caffeine Intake and Delayed Conception: A European Multicenter Study on Infertility and Subfecundity (カフェイン摂取による妊娠の遅れ:ヨーロッパ不妊施設による他施設研究)」には、大規模な調査の結果、「1日に500mg以上のカフェインをとっている女性の不妊率は1.45倍になる」とあります。
500gといえば、コーヒー5~6杯。こんなにもコーヒーを飲む人は、多くないのではないかと思います。
しかし、カフェインは、コーヒー以外の飲み物にも含まれているので、注意が必要です。
※いずれもおよその含有量
※缶コーヒー(ショート缶)・・・約100~150mg
※コーラ・・・約10~20mg
適正摂取量を守ってコーヒーを飲めば、妊活中も健康に過ごせる
コーヒーはスーパーフード
コーヒーは最も身近にあるスーパーフードです。
がん、心臓病、脳卒中の三大疾病予防に加え、ダイエットに効果的で、血糖値を下げ、うつ病のリスクを減らし、認知症を予防することが分かっています。
これらの効果はコーヒーの特徴的な成分であるカフェインとポリフェノールによるところが大きいです。
とりわけポリフェノールは抗酸化作用と抗炎症作用をもたらし、さまざまな病気が広がるのを防いでくれます。
そして、ポリフェノールはデカフェタイプにも含まれているのがうれしいポイントです。
デカフェは、コーヒー抽出液からカフェインを取り除いたもので、通常のコーヒーと同じように味や風味を楽しむことができるものです。
カフェでも「デカフェ」の名で提供している店舗が増えています。
深入りの豆や牛乳(ミルク)入りは避けよう☆コールドブリューも注意が必要
コーヒーの効果を得るためには、正しい方法でコーヒーを飲むことが大切です。
多くの人が飲んでいるコーヒーは、大量の脂肪分と糖分が加えられた、栄養素的に“最悪のコーヒー”です。
また、世の中に出回っているものは「深煎り」がほんとんど。
実は深煎りコーヒーは、コーヒーの魅力的な成分の大部分を失っています。
深煎りの方が、カフェインの含有量が少ないとも言われていますが、同時に“最悪のコーヒー”を飲んでいるということをお忘れなく。
信頼できるコーヒーショップを訪ねたり、自身でハンドドリップするなど工夫し、ポリフェノールをふんだんに含んだ質の高いコーヒーを選ぶようにしましょう。
質の高いコーヒーなら少量で、高い健康効果が得られることが、最近の研究では分かってきています。
カフェインの摂取量を減らせるとうたった「コールドブリューコーヒー(水出しコーヒー)」も注目を集めていますが、抽出時間によっては一般的なコーヒーよりカフェインの量が多い場合がありますから、こちらも注意が必要です。
まとめ:妊活中のコーヒーは、飲み過ぎなければ大丈夫
大好きなコーヒーを我慢して、ストレスを溜める方が、妊活ではマイナスです。
近年ではコーヒーの健康効果が次々と解き明かされています。
品質の高いコーヒーを選び、体質やカラダへの影響を正しく理解した上で、自分にあった適量を楽しみましょう。
どうしてもカフェインの影響が気になる人は、デカフェを試してみてはいかがでしょうか。
参考までに妊婦の場合、各機関が定めているコーヒーの適正摂取量(1日)を紹介します。
- WHO(World Health Organization、世界保健機関)…3~4杯
- HC(Health Canada、カナダ保健省)…カフェイン200mg(マグカップ2杯)程度
- FSA(Food Standards Agency、英国食品基準庁)…カフェイン最大300mg(マグカップ2杯)程度
おまけ:カフェインより気を付けたい|妊活中に飲んではいけないもの
卵子や精子の質を低下させてしまい、妊娠率を下げてしまう危険なモノについて紹介します。
おまけ2:カフェインより気を付けたい|妊活中に食べてはいけないもの
「トランス脂肪酸」を含む食品は、避けることをおすすめします。
おまけ3:妊活前のダイエットにはコーヒー(カフェイン)を活用しよう
10kgの減量に成功した「スクワット×コーヒー」ダイエットについてまとめました。