でも、仕事を辞めたら収入が無くなってしまうから思いきることができないよ……。
この記事を見つけてくれたあなたは
- 仕事辞めたいけど勇気がない
と悩んでいるはずです。
仕事を辞められない理由が
- 収入が無くなってしまうから思いきれない
というのであれば、これを機会に雇用保険制度について理解を深めてみてはどうですか?
一般的に失業保険と呼ばれています。
でも、自己都合で退職した場合は、もらえないでしょ?
いえいえ、失業保険は、退職理由が自己都合の場合でも受け取れます。
また、自己都合の場合は、支給までに時間がかかるから頼れないと考える人も多いですが、
どうですか?
あなたの気持ちが少し軽くなったでしょ?
とはいえ、失業保険は、会社を辞める前にしっかり理解しておかないと、損をしたり、時にはトラブルにつながったりすることもあります。
この記事では、自己都合で退職した場合の、失業保険のもらい方についてわかりやすく解説します。
私が実際にハローワーク(公共職業安定所)を訪ねて集めた情報です。あなたの処方箋になること間違いなしですよ。
記事に終わりには、自己都合でも待機期間なしで、すぐに支給してもらう情報も紹介するので、ぜひ、最後まで読んでください。
失業保険(自己都合)のもらい方|分からないからハローワークを訪ねてみた
私たち夫婦は高度生殖医療(ART)も視野に入れて取り組んでいます。1回の体外受精にはトータル30万円以上かかるのが一般的。顕微授精ともなれば、50万円を超えることも珍しくないです。国は2022年4月の保険適用開始を目指していますが、出産のタイムリミット(限界年齢)は待ってくれません。そして3割負担となっても不妊治療費用が高額であることは変わりません。
私たちは不妊治療費を工面するためにさまざまな副業に挑戦しています。
失業保険の手続きは、ハローワーク(公共職業安定所)で行います。
ちなみに、あなたの住所を管轄するハローワークでないと何もしてもらえないので注意しましょう。
手続き方法は、スマートフォンでも調べることができますが……分かりにくいです。
お役所の文章は「本当に伝える気があるの?」とイライラしますね。
厚生労働省のHPには次のように説明していますが……少し読んだだけで離脱したくなります。
労働者の生活及び雇用の安定と就職の促進のために、失業された方や教育訓練を受けられる方等に対して、失業等給付を支給します。また、失業の予防、雇用状態の是正及び雇用機会の増大、労働者の能力の開発及び向上その他労働者の福祉の増進等をはかるための二事業を行っています。
画面を覗き込んだ妻に「直接、ハローワークで聞いた方が早いんじゃない?」と言われ、翌日、人生初のハローワークを訪問。
職員は慣れた様子で対応してくれました。
「転職が当たり前の時代ですからね」と職員。
と、いうわけで、この記事を読んでくれているあなたは、ラッキーです。ハローワークに足を運ばなくても、私が失業保険のもらい方を分かりやすく説明します。
【失業保険のもらい方①】自己都合or会社都合はさておき、あなたに受給資格があるか確認しよう
前置きが長くなりましたが、ここから「失業保険のもらい方」について解説します。
まず、あなたに受給資格があるかを確認しましょう。
- すでに離職して、雇用保険の被保険者でなくなっている。
- 働く意思と能力があるけれど、職業につくことができていない。
- 離職日から遡って2年間の雇用保険の加入期間(被保険者期間)が、通算12ヶ月以上。
……笑
分かりやすいように噛み砕いて説明します。
結論から言えば、ほとんどの人が当てはまるので大丈夫です。
すでに離職して、雇用保険の被保険者でなくなっている
退職した会社から、雇用保険者であったことを証明する「雇用保険被保険者証」を受け取ればOKです。
働く意思と能力があるけれど、職業につくことができていない
失業保険の基本手当を受け取るには、ハローワークが定める“失業状態”であることが大前提です。
会社を辞めれば、その時点で「失業」でしょ?
いいえ、そうではありません。
会社を辞めただけでは、法律上、失業状態とは認められません。
ハローワークで求職の申し込みを行ない、再就職の意思を示しましょう。
求職の申し込みを行ってはじめて、失業状態と認められます。
ハローワークで求職の申し込みをしなかった場合は、再就職の意思がないと見なされ、失業保険の基本手当を受け取ることはできません。
働く意思について納得したら、次の疑問は
「働く能力ってどういうこと?」
ですよね。これは要するに
ただし、このような場合にも救済策は用意さています。
離職日から遡って2年間の雇用保険の加入期間(被保険者期間)が、通算12ヶ月以上
これも、あなたが新卒新入社員でない限り、大丈夫でしょう。
ちなみに、雇用保険の被保険者期間の算定方法は令和2年に改正されました。
令和2年8月1日以降の離職した場合は、日数だけでなく労働時間による基準が追加。
賃金支払の日数が11日以上または労働時間が80時間以上あれば、1ヶ月としてカウントされます。
参考:厚⽣労働省
また、前の仕事を辞めてからの離職期間が1年以内で、かつ、失業保険を受け取ったことがない場合は、合算することができるので、覚えておきましょう。
【失業保険のもらい方②】受給資格があるとわかったら「支給金額」などを調べてみよう
失業手当がもらえることが分かったら、次に確認しておきたいのが、以下の3点です。
- 給付日数
- 支給金額
- 支給の開始と期間
給付日数|失業保険は何日もらえるのか?
給付日数……つまり、「失業手当の支給を受けることができる日数」は、雇用保険の加入期間(被保険者期間)と退職理由によって決まります。
退職理由は、大きく2つに分けられます。
- 自己都合
- 会社都合
自己都合の退職の場合、給付日数は90~150日です。
会社に勤めていた期間が長いほど、失業保険を受け取る日数が長くなります。
参考:厚⽣労働省
「会社都合」による退職は、倒産やリストラのほか、パワハラ、セクハラ、残業の多さなども該当。「特定受給資格者」と呼ばれます。
参考:厚⽣労働省
多くの人が該当するのが「自己都合」による退職でしょうから、ここでは簡単な説明にとどめておきますが……後々、ポイントになるので、心に止めておきましょう。
基本手当日額|失業保険は1日あたりいくらもらえるのか?
基本手当日額……要するに、1日当たりに支給されるか失業手当の額です。
誰もが気になるところですね。
基本手当日額は次のように決まります。
賃金日額x給付率=基本手当日額
賃金日額は、退職前の6ヶ月の給料の総額(残業代は含む。賞与は除く)を180で割った金額です。
給付率は、賃金日額と退職時の年齢などから決定されます。
- 離職時の年齢が60歳未満の場合は、賃金日額の50~80%
- 離職時の年齢が60歳以上65歳未満の場合は、賃金日額の45~80%
をもらうことができます。
賃金日額が低い人ほど給付率は高く設定されています。
※1 離職時の年齢が65歳以上の方が高年齢求職者給付金を受給する場合も、この表を適用します。
※2 y=0.8w-0.3{(w-5,010)/7,320}w
※3 y=0.8w-0.35{(w-5,010)/6,080}w,y= 0.05w+4,436 のいずれか低い方の額
参考:厚⽣労働省
ただし、基本手当日額には、上限額と下限額が定められています。
令和2年3月1日改訂の上限額と下限額は次の通り。
参考:厚⽣労働省
知っておきたい!基本手当日額を増やす裏ワザ
「裏ワザ」というと大袈裟かもしれませんが、もしも、あなたが残業のできる会社に勤めているのであれば、基本手当日額は「増やす工夫」ができるので、覚えておきましょう。
やり方は単純。
日額賃金の平均賃金の対象となる離職前6ヶ月間の「残業」や「休日出勤」を増やせばOK。
その分、失業手当の総額を増やすことができます。
支給の開始|自己都合退職の失業保険はいつからもらえるのか?
自己都合退職と会社都合退職で、失業手当の支給開始時期も異なります。
会社都合の場合、ハローワークで求職の申し込みを行ない、失業状態と認められれば、7日間の待機期間を経て、すぐに支給されます。
対して自己都合退職の場合は、7日間の待機期間に加えて、3カ月間の給付制限期間という受給できない期間が過ぎなければ、支給されません。
- 会社都合は7日後
- 自己都合は7日+90日後
しかし、2020年10月に雇用保険法が改正され、2020年10月1日以降に自己都合で退職した場合、給付制限期間が「3カ月→2カ月」に大幅短縮されることになりました。
これにより「当面の生活費を確保してからでないと転職できない」という悩みの大部分が解消されました。
ただし、給付制限期間が2か月になるのは、2020年10月1日以降の5年間で2回まで。
5年間に2回を超える自己都合退職があった場合、3回目からの給付制限期間は3か月になるので注意しましょう。
【失業保険のもらい方③】自己都合の場合の手続きの流れ|退職前
ここからは、実際に失業手当をもらうまでの流れを解説します。
退職前に次の2つを行いましょう。
- 雇用保険被保険者証を受取る
- 離職票をいつどのように受け取れるのか確認する
雇用保険被保険者証を受取る
「すでに離職して、雇用保険の被保険者でなくなっている」の章でも説明した雇用保険被保険者証は、雇用保険の被保険者であることを証明する書類で、失業保険申請に必要です。
勤め先の会社が保管するのが一般的なので、会社から受け取りましょう。
自分が保管している場合は、紛失する人も多いと思いますが、その場合は、勤務先または居住地を管轄するハローワークで再発行しましょう。
離職票をいつどのように受け取れるのか確認する
離職票も失業保険を申請するときに必要な書類です。
退職した会社での労働中の賃金や退職理由を証明するもので、退職後、会社が提出する離職証明書をもとにハローワークから発行されます。
離職票は、退職後2週間前後に会社から郵送されることが多いようですが、事前に確認しておきましょう。
退職後に、もしも届かない場合は、会社に問い合わせましょう。
【失業保険のもらい方④】自己都合の場合の手続きの流れ|退職後
退職し、離職票が手元に届いたらハローワークに行きましょう。
にやるべきことは、次の通りです。
6つのステップに分けて解説します。
- 雇用保険被保険者証と離職票を受け取る
- 本人の住所地を管轄するハローワークで求職の手続きをする
- 説明会に参加し、求職活動を行う
- 受給資格の決定を受ける
- ハローワークに受給資格証と失業認定申告書を提出し、失業の認定を受ける
- 指定した金融機関の口座に基本手当が支給される
STEP1.雇用保険被保険者証と離職票を受け取る
雇用保険被保険者証と離職票を受け取り、書かれている内容に間違いがないか確認します。
離職票には、雇用保険被保険者番号などが書かれた「離職票1」と、退職理由や退職前6ヶ月間の給与額が書かれた「離職票2」の2枚があることを覚えておきましょう。
受給条件が不利にならないよう、特に「離職票-2」に記載されている給与金額や退職理由に間違いがないか確認しましょう。
離職理由によって、失業保険を受け取るまでの期間や給付日数が変わる場合があります。
離職理由に同意できない場合は、ハローワーク窓口で相談すれば、ハローワークが会社に事実確認をしてくれます。
- 給付日数や受給金額などの受給内容
- 基礎日数(基本給が支払われた日数)と期間
- 退職理由
STEP2.ハローワークで求職の手続きをする
あなたの住所地を管轄するハローワークを訪ね、求職申込書や離職票などを提出します。
当日は次の物を忘れずに持っていきましょう。
- 雇用保険被保険者証と離職票1、離職票2
- 運転免許証かマイナンバーカード
- 証明写真2枚
- 印鑑
- 本人名義の貯金通帳かキャッシュカード
船員だった人は船員保険失業保険証および船員手帳も忘れずに。
失業保険受給までのスケジュールを説明されます。
しおりをもらって帰りましょう。
離職票の提出した日から7日間は、待期期間となります。
待機期間は、「完全に失業状態にあること」を確認するための期間なので、アルバイトなど就業はしないようにしましょう。
待機期間中に就業した場合、その分給付開始が延期され、給付が遅れる可能性があります。
自己都合の場合は、さらに給付制限期間があることは先述の通りです。
STEP3.説明会に参加し、求職活動を行う
ハローワークが開催する雇用保険受給説明会に出席しましょう。
離職票の提出した日から、おおよそ10日前後に開かれます。具体的な日時は申請時に教えてもらえます。
雇用保険受給説明会では、失業保険についての説明、失業保険受給に必要な「失業認定申請書」と「雇用保険受給資格者証」の付与、「1回目の失業認定日」スケジュールの説明を受けます。
また、失業保険の受給には、「求職活動を行うこと」が必須条件です。
受給資格が決定するまでに、原則として2回以上の求職活動の実績が必要。
求職活動とは、具体的に次のような活動のことです。
- ハローワークの窓口での相談
- ハローワーク主催のセミナーへ参加
- 求人への応募、エントリー
- 求人面接
転職サイトや転職エージェントを利用する場合、登録するだけでは求職活動として認められなので要注意です。
STEP4.受給資格の決定を受ける
退職理由を判定されたのち、失業保険の受給資格が決定します。
ちなみにこの日を「受給資格決定日」といいます。
受給資格が決定されると、ハローワークから受給資格者証が交付され、失業の認定日が指定されます。
STEP5.ハローワークに受給資格証と失業認定申告書を提出し、失業の認定を受ける
失業認定日にハローワークに行き、失業認定を受けましょう。
「求職活動をしているものの、失業中であること」を確認してもらうのです。
ハローワークへ行くのを忘れた場合、失業認定を受けられなくなり、失業給付金の受給が1カ月後ろ倒しになってしまいます。
STEP6.指定した金融機関の口座に基本手当が支給される
失業認定を受けると、5営業日程度で失業保険が振り込まれます。
このあとは、求職活動、失業状態の認定、失業手当の受給を4週間単位で繰り返す……という流れです。
スケジュールは1例なので、ハローワークの窓口で確認しましょう。
失業保険のもらい方の裏技|残業が多ければ自己都合でも待機期間なし
自己都合の退職の場合の辛いところが、待機期間です。
2カ月に短縮され、転職しやすくなったと紹介しましたが、待機期間がないことに越したことはありませんよね。
実は、自己都合の退職でも、会社都合の退職と同じように認めてもらえる特例があります。
意外にも知られていませんが、多くの人がこれに該当します。
認特定理由離職者と言います。
該当するケースは次の通り。
- 派遣社員の派遣期間満了
- 正当な理由のある自己都合での離職
派遣社員の人は待機期間なしで、失業手当をもらうことができます。
また、うつ病、妊娠や育児でやむえず離職した場合、介護で通勤不可能になった場合などは正当な理由に当たるのでハローワークで相談してみましょう。
いえいえ、大丈夫です。
あなたにも当てはまる可能性の高いケースがあります。それは……
- 離職直前6カ月でどれか1カ月の残業が100時間を超えた場合
- 試食直前6カ月で、連続する2ヶ月以上の残業の平均が80時間を超えた場合
- 離職の直前6ヶ月間で残業が3か月連続で45時間を超えた場合
100時間、80時間というのは稀なケースですが、45時間というのはよくある話。
実際に私も該当します。
ハローワークの窓口でもお墨付きをもらいました。
証拠として提示できるように、タイムカードなどは写真やコピーを必ず保存しておきましょう。
まとめ:失業保険のもらい方をおさらいして不妊治療を優先|自己都合でもすぐに支給される場合がある
「仕事を辞めたいけど、仕事を辞めたら収入が無くなってしまうから思いきることができない」という悩むあなたの処方箋になればと、失業保険のもらい方についてまとめました。
失業保険は自己都合でも支給されます。
また、2020年10月から待機期間が短縮になり、活用しやすくなっています。
また、失業保険をもらいながらアルバイトをすることも可能です。
一度きりの人生を後悔のないものにしましょう。